同じブドウ品種、同じ2023年、価格は4.8倍。
4日違いで、2本のピノ・ノワールを開けました。

| クラウディー ベイ | パドルボード | |
|---|---|---|
| 価格(税込) | 5,159円 | 1,078円 |
| 購入店 | 成城石井 | やまや |
| 産地 | ニュージーランド マールボロ | アメリカ カリフォルニア |
| ヴィンテージ | 2023 | 2023 |
| アルコール | 13.5% | 13% |
| 栓 | スクリューキャップ | スクリューキャップ |
わたしたちのワイン記録で、ここまで条件が揃った比較は初めてです。 品種も年も同じ。違うのは産地と値段だけ。
結論から書くと、★の差は1つしかありませんでした。
1. クラウディー ベイ ピノ・ノワール 2023(5,159円)

先に飲んだのはこちらです。9月26日、成城石井で買いました。
この日はトマトすき焼きでした。詳しくはこちらの記事に書いています。
| 評価者 | 評価 | 感想 |
|---|---|---|
| 夫 | ★★★★★(5 / 5) | ピノなのにガツンとくる。いつものデイリーワインのようにグビグビ飲むのではなく、チビチビ飲めるくらい濃い。肉の強い味にも全然負けない。香りもいい。 |
| 妻 | ★★★★★(5 / 5) | 久しぶりに果実味に高級感がある。深みがすごい。牛肉とよく合う。鼻に抜ける感じもいい。寒い日の温かい料理にちょうどいい。 |
夫婦そろって初めての★5でした。
印象に残ったのは、ピノらしくなかったことです。
> 夫:すごいね、ピノなのにガツンとくる感じの
> 妻:深みがすごい
> 夫:ガブガブ飲むっていうんじゃなくて、ほんとちょびちょび飲めるぐらい濃い
2. パドルボード ピノ・ノワール 2023(1,078円)

4日後、やまや浜松町大門店で買いました。売り場に大きく展開されていて、「売れてます」のPOPが付いていました。

裏ラベルには、こう書かれています。
> クローブのスモーキーなアロマがブラックチェリー、柔らかなバニラの風味に溶け込み、紅茶とタバコの余韻が長く続きます
>
> 味わい:ミディアムボディ/飲み頃温度:13〜16℃
輸入しているのはやまや自身です。小売が直接輸入しているぶん、価格に出ています。
| 評価者 | 評価 | 感想 |
|---|---|---|
| 夫 | ★★★★☆(4 / 5) | 色がかなり薄い。ベリー、クランベリーの香り。すごく爽やかで軽い。香りはそこまでなく、少しアルコール感がある。でも味は美味しい。香りを楽しむものではなく、食事と合わせるデイリーワイン。 |
| 妻 | ★★★★☆(4 / 5) | クランベリーのような酸味で爽やか。軽くて、海鮮にも合いそう。夏にキリッと冷やして飲みたい。開けたときにアルコール感を感じた。 |
こちらも★4。決して低くありません。
グラスに注いだ直後から、印象がはっきりしていました。
> 夫:結構色薄いね。めっちゃ薄いよ
> 妻:なんかベリー…ベリーっていうか、クランベリー
> 妻:酸味が…アセロラじゃないけどさ。爽やかだね
> 夫:すごい、ほんと爽やか。軽っ(笑)
ラベルは「ミディアムボディ」と書いていましたが、2人とも「軽い」でした。ここは食い違いました。
3. 差は「香り」と「余韻」に出ました
飲んでいる途中で、勝手に比較が始まりました。
> 夫:やっぱこの間の5,000円のピノ・ノワールと違うね(笑)
> 妻:全然違うよ
> 夫:あれはこんなにガブガブ飲めなかったもんね
> 夫:なんかもっと味わい深く、こう…舌で転がしときたいみたいな
> 妻:なんかあの、鼻に抜ける感じとかね、やっぱ全然違ったもんね
> 夫:それはないね、あんま
そして、この一言で決着しました。
> 夫:香りを楽しむものではなくて、本当にお酒としての味を楽しむ
4.8倍の差は、香りと余韻に出ていました。
わたしたちのサイトでは先日、ワインの「味」はほとんど香りだという記事を書きました。「鼻に抜ける感じ」はレトロネーザルと呼ばれる、口から鼻へ抜ける香りのことです。
その有無が、そのまま価格差の正体でした。
パドルボードが悪いわけではありません。夫自身が「香りはそこまでない」と言いながら「でも味は美味しい」と言っています。 香りが主役ではない、というだけです。
4. それでも★の差は1つだけでした
| クラウディー ベイ | パドルボード | |
|---|---|---|
| 夫 | ★5 | ★4 |
| 妻 | ★5 | ★4 |
| 価格差 | 4.8倍 |
4.8倍払って、★1つ。
これは「高いワインは割に合わない」という話ではないと思っています。★という1つの数字では、違う種類の良さを区別できないという話です。
実際、2人が褒めている中身は正反対でした。
> クラウディー ベイ:ちびちびしか飲めないくらい濃い
> パドルボード:すごく爽やかで軽い
片方は「飲み進められない」ことで、もう片方は「飲みやすい」ことで高評価を得ています。 同じ★4〜5という記号に、逆のものが入っています。
5. 「また買うか」で分かれました
★では1つしか違わなかった2本が、別の欄ではっきり分かれました。
| また買う? | |
|---|---|
| クラウディー ベイ | はい |
| パドルボード | 条件付き |
理由は、味ではありませんでした。
> 妻:これだったら成城石井のあの…
> 妻:オーストラリアの、ボジョレーの代わりみたいなやつ。ヌーヴォーみたいなやつ
> 夫:あー、あれ美味しいよね
> 妻:ま、でも値段もちょっと違うね
> 夫:1,400円ぐらい?
> 妻:うん。あれ香りいいもんね
1,400円ほどの別のワインの方が、香りがよかった。 だから1,078円のこれを選ぶ理由が薄い、という判断です。
これは「安い方が正解」でも「高い方が正解」でもありません。 300円ちょっと足すと香りが手に入る、という値段の刻み方の話です。
(そのオーストラリアのワインは、まだわたしたちのデータベースに記録がありません。飲んで記録してから、あらためて書きます。)
6. 用途が違う、というだけでした
2本を並べて分かったのは、そもそも役割が違うということでした。
| クラウディー ベイ | パドルボード | |
|---|---|---|
| ボディ | 重い | 軽い |
| 合った料理 | トマトすき焼き(味の強い温かい料理) | 海老、オリーブ、チーズ |
| 飲み方 | ちびちび、味わう | 食事と一緒に進む |
| 向く季節 | 寒い日 | 夏に冷やして |
妻の言葉が、いちばん的確でした。
> やっぱワインは食事だよね、多分。食事と合わせるの
> こういう軽めのは特にね
5,159円は「ワインを味わう日」の1本。 1,078円は「食事を楽しむ日」の1本です。
比べる土俵が違うのに、同じ★でつけていた。それが今回いちばんの発見でした。
まとめ
同じ品種・同じ年・価格4.8倍で分かったこと。
- 差は香りと余韻に出た。「鼻に抜ける感じ」の有無
- ★の差は1つだけ。1つの数字では違う良さを区別できない
- 分かれたのは「また買うか」の方
- そして理由は味ではなく、他にいい選択肢があるかどうかだった
1,078円のピノは、よくできたワインでした。 軽くて爽やかで、食事と一緒にどんどん進む。夏に冷やして飲みたい。
ただ、わが家がもう一度手に取るかは別でした。
値段と満足度は、まっすぐな線では結ばれていません。 9本ぶんの記録を並べてみて、そこだけははっきりしてきました。
※20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。お酒は適量を楽しみましょう。


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